
資料室の狼
作者:克本かさね
全4話
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以下では、資料室の狼のあらすじや登場人物の紹介、読んだ感想を記します。
資料室の狼のあらすじ
桜の下で見た、美しい景色さえ視界に入らないほど前を見据えた瞳、まとう「できる男」のオーラ。
入社したての上原美久に、その男はとても眩しく映った。
部署は全くわからない。
同期入社のはるかもわからないらしい。(彼女は、社内のいい男チェックに夢中にもかかわらず。)
仕事の手伝いで資料室へ行くことになった美久。
資料を探している最中、何かにぶつかってしまう。
「いて」
人がいた?
ぶつかった人は、「できる男」のオーラをまとった人だった!!
彼は情報管理室の小栗と名乗って、探している資料はすでにデータ化しているからと、すぐメールで送信してくれた。
勇気を出して、小栗をお茶へ誘う美久。
小栗は面白そうに笑いだし、「社会人誘うなら『飲み』だろ」と。
しばらく間が空いて「今日なら、一緒に行ってもいいぞ」
行った先は、ししおどしの音が心地よく響く高級そうな日本料亭。
目の前にはマークという名の外国人。
「小栗さん、これはいったい?」
「接待だよ」
えっ!?Σ( ̄□ ̄;)
営業の最前線じゃない!!
「無理です。こんな大事な場面」
「大丈夫、社会勉強だよ」
カチコチに緊張しながら自己紹介する美久。
緊張しすぎて、あとは何をしゃべったか覚えていない。
さらに悪酔いしてしまった。
悪酔いそのままに、小栗を誘い一線を越えてしまう。
次の日から、事あるごとに資料室に呼ばれるようになった。
小栗の仕事を手伝ったり、PCの操作を教わったり。
夜はマークと飲んだり。
もちろん、小栗とは夜にHも…。
そんなある日、マークと飲んでいるとき、お箸を使えない彼のため、専用のお箸を作る。
マークはとても喜び、娘との思い出を語る。
小栗と帰りながらマークのことを聞いた。
「仕事にシビアで、まだ取引していない。気長に攻略中」
小栗が「総務部 情報管理室」という部署にいながら、なぜ営業をしているのか気になる。
次の日、はるかから「情報管理室」のことを聞かされた。
事実上のリストラ部署だと。
その日以来、小栗は会社に来なくなってしまった。
資料室の狼の登場人物
上原美久
ぽやーっとした癒やし系。実際そんなに仕事は早くなく、できるタイプでもない。酒が入ると大胆になる。
小栗祥平
いかにも仕事ができるタイプ。英語堪能で商品情報にも詳しいが、なぜ資料室にいるのかわからない。人の魅力を引き出すのが上手。
マーク
謎の親日家。明るくノリがよく、日本食が大好き。しかし、お箸を使えないというお茶目な弱点を持つ。
資料室の狼の感想
あんまりHいらないんじゃないかなーという、ちょっと癒やされるTL。
そのせいかHは少し控えめ。
ぽやーっとした美久が、小栗と出会って少しだけ大胆になる物語です。
ノロマではなく、癒やし系へと変化していく過程を垣間見ることができるので、TLじゃなくてもよかったんじゃないかなぁ…って。
ドロドロしたところも、痛いところも何にもないので、シチュエーションに燃えたいという方には、不向き。
美久がマークのために作ったお箸が心温まります。
マークの正体を知らない美久は、友達として接しているんですね。
小栗との仲が深まっていくエピソードより、マークとのエピソードの方が私は好きでした^^
最後にちょっとしたどんでん返しが待っています。
キュンキュンするものもいいですけど、ちょっと癒やされるものもいいですよ。
資料室の狼は、克本かさねの短編集「王様のいいなり」の1話目に収録されています。なのでHandyコミックにアクセスしたら「王様のいいなり」で検索して下さい。